日本史(主に平安〜鎌倉初期)について。 あくまでも、独り言で御座います。

うみを見渡す長谷の御堂に惹かれつつ、愛でる華花うつくしきことかな。
鎌倉 長谷寺01


紫陽花の季節になったら、鎌倉の長谷寺さんについて書こう〜♪
……と前々から決めておりましたのに、気が付けば もう文月;
ちょっと遅いのでは無いかね?と自分に突っ込みたい気持ちをさり気無〜く遠ざけて、本日は 紫陽花寺として大変有名で御座います、長谷寺さんについて記したいと思います(笑)

鎌倉 長谷寺02


長谷寺さんといえば、“御花の御寺”さん!
眼下に町並と海を眺望出来る散策路に咲き乱れる紫陽花が絶景を更に盛り上げる事が特に有名では御座いますが、1年中を通して四季折々の花々が常に境内を鮮やかに彩る事でも広く知られております。
それ故に、いつ訪れても大勢の人で賑わっていらっしゃいますので、人混みの苦手な私は なるべく御天気の優れない平日の朝か夕方に詣でるように致しております…(苦笑)

長谷寺さんは、上下に境内地が分けられており、下境内、上境内 それぞれが美しい景観を生み出しておられます。
入山口直ぐの場所には妙智池と放生池があり、周囲は回遊式庭園になっております。
私は6月の中頃、雨降り予報の出ていた平日の夕方に参拝させていただいたのですけれど、入山制限は無いものの、それでも矢張り結構人はいらっしゃるのだなぁという感じで御座いました。
殆どの方が紫陽花目当てのようで御座いましたが、御池周辺に咲く様々な花々に早くも皆様心を奪われた御様子で、写真撮影に夢中になっておられました〜。
私は、そんな方々の生きた表情を見るのが とても好きで御座いまして…来て良かったなと思いました。

鎌倉 長谷寺03


こちらは地蔵堂。
上境内と下境内を繋ぐ石段の途中に御座いますので、中腹辺りになりますでしょうか…沢山の御地蔵様が ずらっと整列されており、奥寄りに囲い込むようにして地蔵堂が建立されておりました。
長谷寺信者の方々の発願によって建立された地蔵堂で、平成15年に再建されて現代に至っているそうで御座います。
堂内の福壽地蔵も、その際に造立されたもの。
真新しい綺麗な御姿で、優しい御顔立ちをされている事が印象的で御座いました。

鎌倉 長谷寺04


下境内より順路に従って石段を上り、地蔵堂を経て上境内に入りますと、御本堂の手前に御稲荷様が御祀りされていらっしゃいます。
こちらは、かきがら稲荷 と呼ばれる御稲荷様。
“かきがら”とは海中でくっ付く貝の事のようで、御本尊が海に流され漂流していた時に、海中で貼り付いた その貝が御尊像を長井浦へと導かれたといわれ、御祀りされているという事で御座います。
……個人的には、“かきがら”を御祀りされているのに、御稲荷社なのは何故なのかしらという疑問も感じるのですが、もしかすると“かきがら”を御神体として御祀りされていた祠に稲荷神が合祀され、併せて繁栄を願われるようになったのかもしれませんね。

   かきがら稲荷大明神

長谷観音が有縁の地で人々を救いたまえと海に流された時尊像に付着した「かきがら」がこの地に導いたと言われ観音さまのお導びきがあるようにとお祀りしている



この近くには墓地があり、かきがら稲荷様の前の細道の脇に小さな五輪塔がずらっと並んでおりました。
パッと見た感じでは鎌倉期頃のものでは無いかな…と思われるのですけれど、それぞれの謂れ等、詳しい事は分かりません;
また、墓地の手前側から覗いただけでも、歴史を感じさせられる様々な墓塔を何基も見る事が出来…中には、随分と建立年代が古いように見受けられる五輪塔等も御座います。
台石部分だけ最近のもので、上部分は もっと以前のものと思われる宝篋印塔や笠塔婆等もあり、大変興味をそそられてしまいます。
御寺の方に御伺いしてみたい…とも思うのですが、いつも大勢の参拝客を相手に御忙しそうにしていらっしゃいますし、何より こちらは普通の方々の御霊も多く眠る墓地で御座いますので……観光で参拝される方が多い中、私ひとりが興味本位で そのような事を御尋ねするのは余りにも無礼な事と思い、想像に留める事に致しております。。

鎌倉 長谷寺05


□ 長谷寺(はせでら)

所在地:神奈川県鎌倉市長谷
御創建:天平8(736)年?
御開基:藤原房前
御開山:徳道上人
宗 派:真言宗?→浄土宗→浄土宗系単立
山 号:海光山
御本尊:十一面観音
院 号:慈照院
旧 称:新長谷寺
通 称:長谷観音


創建年代について、確かな事は分かっていないようで御座いますが、長谷寺さんの伝承によれば奈良時代――天平8(736)年の事であるという事で御座います。
御開基は、大和の長谷寺と同じく徳道上人であるといわれ、更に大和 長谷寺の十一面観音像と同じ木材で造られた十一面観音像を御本尊として開かれたといわれております。
…先程、かきがら稲荷様のところで御本尊が海に流され漂われたと記しましたが、なんと漂流期間は15年間であったといわれ、相模の三浦半島に流れ着いた後に、この地に安置され寺院建立となった事が伝えられております。

大和 長谷寺の分身のようにも感じられますので、創建当時は真言宗の寺院だったのでは無いかなと思われますが、江戸期に至った 慶長12(1607)年、徳川家康様による伽藍修復の際に中興開山となり、浄土宗へと改宗されていらっしゃいます。
長谷寺さんには鎌倉期以降の遺産が多く現存しており、長きに渡って時の権力者から保護や支援を受けていた事も記録されているようで御座います。
明治期以降は単立寺院として現在に至っておられます。

鎌倉 長谷寺06


観音堂の向かって右隣には、源頼朝様縁の阿弥陀堂が御座います。
こちらに安置される阿弥陀如来坐像は、伝承によれば頼朝様が42歳の厄除けの為に建立されたものといわれ、現在は廃寺となっている誓願寺という御寺さんの御本尊として造られたものであったといわれます。
長谷寺に遷されたのがいつの頃の事なのかは分からないのですが、移設当初の阿弥陀堂は、現在 地蔵堂が建立されている石段途中辺りに建てられていたようで御座います。
阿弥陀様は、頼朝様の伝承に倣って“厄除阿弥陀”と呼ばれ、信仰を集めているという事で御座います。

鎌倉 長谷寺07


こちらは、“まわり堂”と呼ばれる輪蔵。
この奥の傾斜に ずら〜っと紫陽花が咲き並んでおり、紫陽花に囲まれた小さな御堂という感じで大変絵になる光景で御座いました。

   輪蔵

輪蔵は中国、粱時代(五世紀)の学者傳大士の発明によるもので、蔵内には一切経が納めてあり、時計回転方向へ一回まわすと一切経を一通り読んだと同じ功徳があると云われております.
     長谷寺



鎌倉 長谷寺08


下境内の奥には、弁天様を御祀りする洞窟 弁天窟が御座います。
とても神秘的な堂内で…いろんな意味で、こちらは緊張致します…。

鳥居を潜って中に入ると、周囲の壁に彫り造られた壁弁財天十六童子が、中央の弁財天様を護るように従っておられます。
言い伝えによりますと、こちらの出世弁財天様は弘法大師様の御作という事で。
奥へ奥へと進んで行きますと、入口とは別の出口に至るのですが、この洞窟は弘法大師様が参籠されたといわれる空間ともいわれているようで…何とも不思議な場所で御座います。

鎌倉 長谷寺09


弘法大師様縁といえば、上境内の大黒堂に安置されていた大黒天様の御尊像も、大師様の御作であるといわれております。
然し、こちらは応永19(1412)年の御作である事が確認されているそうで…。
それでも、神奈川県内では最古の大黒天像であるのだという事で御座いました。

現在こちらに御祀りされるのは、新しく造られたという出世開運授け大黒天様。
鎌倉、江ノ島七福神の1つに数えられておられます。
ちなみに、神奈川最古の大黒天様は宝物殿にて拝ませていただく事が可能で御座います。
展示室は丁度、この大黒堂の2階になっております。

鎌倉 長谷寺10


上境内には、周辺を一望する事の出来る見晴台が御座います。
御天気の良い日には、とても綺麗な景色が楽しめそうでございますね〜!
……私は、御天気の日を敢えて避けて詣でてしまいますので、中々 こちらかの素晴らしい景観を生で観られる機会が御座いません(苦笑)

鎌倉 長谷寺11


折角、綺麗な紫陽花を沢山観て参りましたので、明日は長谷寺さんの紫陽花小径で撮った 紫陽花さんにも触れてみようかなと思っております。

鎌倉 長谷寺12


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Comment

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長谷寺
長谷寺に行かれたのですね。自分は7月最初の週末は,七夕のルーツをたどって鎌倉の鶴岡八幡宮から東京杉並の大宮八幡宮へ行ってきました。大宮八幡宮では管弦で乞巧奠遊びが再現されました。
 2回連続の長谷寺のお話。毎回充実した内容,パワフルです。
 アジサイが古代中世の和歌にあまり登場してこないのは知っていましたが,そういう解釈があったのですね。紫陽花という漢字は実は唐の国では別種類の花をさす言葉だとか何とかってのは聞いたことがあるのですが。
 長谷寺の写真を拝見すると7月でもまだアジサイがよく咲いていますね。写真に撮られている,なごみ地蔵さんについては,自分の2月の鎌倉レポートのほうに少し書いてみました。長谷寺の人気者ですね。
 
KI | URL | 2008/07/08/Tue 00:59[EDIT]
>KIさん
乞巧奠遊びの再現…!
素敵ですね〜、気になります。

あ…載せている写真は6月中旬に撮影していたものです;
何かと やる事が遅くて、画像を整理しようしようと思いつつ、気付いたら紫陽花の季節が終わってしまいそうでしたので、慌てて書いちゃったという……感じで…何とも粗末な記事で御恥ずかしい限りで御座います(涙)

なごみ地蔵様の記事、拝見させていただいております〜。
本当に優しい御顔立ちで、いつも にこやかな表情に癒されます。
ちょっと御首をかしげられていらっしゃる感じが、堪らなく可愛いですね♪
どうゝね | URL | 2008/07/10/Thu 00:04[EDIT]
ろうそく
 どうゝね様、こんにちは。

 鎌倉の長谷寺へは、昔 恋人と行きました。
紫陽花寺として有名なのは 存じませんでした。

 長谷寺で一番印象に残っているのは、弁天窟です。
ろうそくに 名前を書いて 自分たちの望みに合う童子の前にお供えすれば、
望みが叶うということでした。
二人の名前を書く時、彼女はすごく照れてました。
 恋が成就する童子へろうそくをお供えすることは 私は迷いながらも決めていていましたが、実行した時は やはり非常に恥ずかしかったです。

 でも結局、彼女とは別れてしまいました。
ろうそくと同様、二人の恋も燃え尽きてしまったのでしょうか・・・。

 そんな思い出のある鎌倉の長谷寺を載せていただき、ありがとうございました。
 ではまた。
重盛 | URL | 2008/07/12/Sat 15:02[EDIT]
>重盛さん
長谷寺、恋人さんと行かれたのですね。
長谷寺の弁天窟は神秘的な空間で、不思議な気分にさせられます。
重盛さんにとっては、とても思い出深い場所だったのですね…。

鎌倉でデートされるカップルは良く御見掛け致しますが、背景が素敵なので羨ましいなぁと思う事も御座います(笑)
ひとりで歩いていても充分に楽しい町ですが、感動を分かち合える御相手と歩けたら、それは とても素敵な事で御座いますね〜。
どうゝね | URL | 2008/07/15/Tue 02:59[EDIT]
たくさん写真を撮られましたね。
どれもアングルが素敵です!

私は弁天窟がどうも苦手で、中に入ると
息苦しく、気持ち悪くなってすぐ出てしまいます。
ひろこさんは大丈夫ですか?
しずか | URL | 2008/07/28/Mon 00:15[EDIT]
>しずかさん
弁天窟の息苦しい感じ、わかります。
私も、同じような感覚になってしまって…なんというか、弁天様以外のものも居るんじゃないかと思えてしまうような違和感を感じてしまって;(苦笑)
こういう感じは自分だけかなぁと思っていたので、ちょっとホッとしちゃいます///
何かあったのかなぁ、あの洞窟。。
どうゝね | URL | 2008/07/28/Mon 23:11[EDIT]
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