
山形県酒田市の離島――飛島。
短い滞在時間の中、源氏盛、平家盛を訪れる事が目的での渡島で御座いましたが、途中 通り掛かりに参拝させていただいた神社や興味を惹かれた史跡等についても、少し記しておきたいと思います。
源氏盛、平家盛脇から続く歩道を更に奥へと進んで行きますと、何やら小さな御社が御座いました。

こちらの御社は、源氏盛、平家盛のある道を正面に建立されておりましたので、もしかして 平家の方々を御祀りされた御社なのかも…と思いまして、拝礼をさせていただきました。
…が、後で御聞き致しましたら、全然無関係という事で(苦笑)
こちらは、源氏盛、平家盛周辺のタブ林を境内地とする高森神社の境内社なのでそうで御座います。
御社名、御祭神、御由緒等、詳しい事は不詳で御座いました。

謎の境内社から向かって左手へ続く歩道を進んで参りますと、高森神社の拝殿脇に出られます。
高森神社の境内は1702坪…5626.44平方メートルに及んでいるのだそうで御座います。

□ 高森神社(たかもりじんじゃ) □
所在地:山形県酒田市飛島字法木
御創祀:宝暦11(1762)年
御祭神:天思兼命
高森神社の御祭神は、天思兼命。
記紀によれば、高御産巣日神の御子神様という事で御座います。
天照大神が天の岩戸に御隠れになられた時に、八百万神に知恵を授けられた神様で御座いますね。
天孫降臨の際にも、葦原中津国平定の適任者を推挙しておられ、邇邇芸命と共に天降っておられます。
先代旧事本紀によれば、天思兼命は信濃国に降臨され信之阿智祝の祖になられ、秩父国造の祖となったとも伝えられております。
ちなみに、古事記には“思金神”“常世思金神”と記されており、日本書紀には“思兼神”と表記されております。
先代旧事本紀では、“思金神”“常世思金神”“思兼神”“八意思兼神”“八意思金神”と呼び名は様々のようで御座います。
天の岩戸事件を その知恵によって解決に結び付けられた神様で御座いますので、古来より知恵の神様、学問の神様として信仰されてこられたようで御座います。
この飛島でも、生業、産業の神様として島民の方々の篤い崇敬を受けておられるという事で御座いました。
山の中に御祀りされておりますので、元は御山に対する自然崇拝から始まった信仰なのかもしれませんが、次第に林業や農業、水産業等、生活の糧となる産業の守護神として崇められてこられたのでは無いでしょうか。
飛島内に鎮座される神社の殆どは、残念ながら その御由緒を今に伝えられる手段が残されていないそうで御座います。
高森神社も例に漏れず、詳しい御由来は不明。
判っているのは、明和元(1764)年、寛政9(1797)年、明治2(1869)年に御社殿を作り変えられているのみという事で御座います。
法木地区に御祀りされている神社で御座いますので、何か平家伝承と関わりがあるのでは無いのかな…と思っていたので御座いますが、伝えられる限りでは そのような謂れは無いとの事で御座いました。

最上町付近と違って、同じ時期でも酒田の方では すっかり雪は溶けきっており、春のあたたかさを感じられる気候の中、長閑な風景を楽しませていただきました。
流石に、この頃には未だハイキングに出掛けられる方はいらっしゃらなかったようで(もしかすると、平日だったからなのかもしれないのですが;)、途中で誰かと擦れ違うという事は1度も御座いませんでした。

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