日本史(主に平安〜鎌倉初期)について。 あくまでも、独り言で御座います。

座敷童子に逢いたくて。
緑風荘さん1


こちらは、岩手県二戸市――岩手と青森の県境に位置する金田一温泉の御宿 緑風荘さんで御座います。
御存知の方は、この御宿名を聞いただけでピンと来られる事と思います。
しばしばテレビでも御紹介されておりますので、実際に宿泊なさった方も多いのでは無いでしょうか。
緑風荘さんは、日本一有名な“座敷童子の御宿”で御座います。

唐突で御座いますが、昨日の晩に放送されていた番組で久々に御紹介されているのを拝見致しまして、とても懐かしく思いましたので 数年前のフィルムを発掘してみました〜。


緑風荘さんが旅館として御開業なされたのは1955年の事だそうで御座いますが、それ以前から 付近でも有数の大きな御邸であったこちらの御宅に訳有って宿泊なさる方々がおられたようで、御宿泊された方々の多くが 滞在中に座敷童子さんに御逢いになり、その後大きく名を馳せ残しておられます。
こちらが全国的に有名になったのは、1970年代に発表された三浦哲郎氏の作品「ユタと不思議な仲間たち」を劇団四季が舞台上演された事から。
緑風荘の座敷童子さんをモデルに創作された作品という事で、各地より注目を浴びる事となったようで御座います。
ちなみに、三浦氏は緑風荘さんの御宅 五日市家の遠い御親戚縁に当たる御方という事で御座います。

掲げられた“民話の宿”という印象そのままな感じが、とても素敵な御宿で御座います。
入口付近は増築されて割と新しい建物のような玄関になっておりますが、全体的にとても古めかしくて温かみがあり、廊下等を歩いていると聞こえて来る築300年の家の軋み音が、まるで実家に帰ったような感覚で……とても自然な心持で過ごす事が出来ました。

勿論、温泉で御座いますので 御風呂も素晴らしかったです〜。
御風呂の方へ行くには、一般客室から渡り廊下を渡って行くので御座いますが、その途中には各方面の有名人方の方々が写っておられる写真が沢山飾ってありました。
……私の尊敬する御方の写真も発見し、御風呂へ向かう途中、暫しの間 真剣に見詰めてしまったり(笑)
私は生物学上は女性で御座いますので、女風呂に入らせていただきましたが、聞く所によりますと+テレビの情報によりますと、男湯の湯船はとてつも無く広いのだそうで御座います。
女湯が狭いという事では御座いませんが、どうやら更に驚く程に広いのだとか……何だか、ちょっぴり羨ましいですよねー。

緑風荘さん


私が 緑風荘さんに宿泊させていただいたのは、矢張り 座敷童子さんに逢いたかったからで御座いました。
福岡県北九州市門司区の水天宮と海御前碑について記した際にも記しましたが、私はとても妖怪好きで御座いまして…!
中でも、ダントツに憧れている妖怪が座敷童子さんなので御座います。

座敷童子さんは 家の守神様。
一般的に、その外見は童子、または童女姿であり、座敷童子さん滞在時の その家は繁栄し、居なくなると衰退する 等といわれております。
悪戯好きで人を驚かせたりする事もあるそうで御座いますが、遭遇すれば幸せを得られるとも伝えられますね。

緑風荘さんにいらっしゃる座敷童子さんの御名前は、亀麿様。
後醍醐天皇の頃、主上に仕えた万里小路藤原藤房様の御長男様であったそうで御座います。
然し、南北朝の乱にて足利尊氏様に破れ、弟様と共に 御父様方に連れられ京よりも遥か北方の この地まで落ち延びて来られた後、病に倒れられ、6歳という若年で御逝去なされたそうで御座います。
以後、亀麿様は この御宅の守神として家に憑かれ、現在まで至っているのだと伝えられます。

………若干はみ出してはおりますが鎌倉後期の頃に被っておりますので、ギリギリ私の守備範囲という事で少しだけ考えてみますと、藤原藤房様は鎌倉幕府を倒して天皇中心の政治を復活なされた御方で主上寵臣の“後の三房”と呼ばれた御1人、また 楠木正成様の師で学問に秀でた御方であったともいわれております。
一度、流罪となられておりますが、復帰後は正二位中納言にまで御昇進。
然し、政に対する不満からか、辞職の後に京の岩倉にて隠遁生活を送られ、その後の消息についてはかなり色々な伝承が各地に残されております。
その地域も広範囲で御座いまして、京付近から東北まで…御墓と伝えられる場所でも何ヶ所か伝承地が点在されているようで御座います。
緑風荘さんも、藤房様の伝承地の1つなので御座いますね。
亀麿様は藤房様の御長男という事で…史実的な史料等には伝わっておりませんが、真偽の程は別と致しまして、そのような御家族想いの御子様が6歳という年齢で亡くなられた後も、御家を護られていらっしゃる事に素直に感動で御座います。
“亀麿”という御名は幼名で御座いましょう…元服の年齢に至る事無く、家に溶け込まれた御霊はさぞや清らかで純粋なものなのでは無いでしょうか。


座敷童子の亀麿様が現れると有名な御部屋は、“槐の間”で御座います。
私は別の御部屋に泊まらせていただいたので御座いますが、別の御部屋にて不思議な体験をされる方もいらっしゃるという事で…座敷童子は人に憑く、とも仰っておられました。
また、こちらの御宿の方は槐の間では寝てはいけないという家訓のような教えもあるのだと御教えいただきました。
約2年先まで予約で一杯の槐の間では御座いますが、この御部屋に宿泊される御客様の不在時には 御部屋を見学させていただく事が出来ます。
御人形が沢山置いてある御部屋は、本当に圧巻で……足を踏み入れた瞬間、思わずドキドキしてしまったのを今でも良く覚えております。
この時は恐らく 電源が入っていたのだと思いますが、置いてあった玩具が突然動いた時には、只管に絶句で御座いました(笑)

緑風荘さん


御宿の中庭…に当たるので御座いましょうか、槐の間へ続く廊下の縁側より外へ出る事が出来まして、その奥には 亀麿様を御祀りされる亀麿神社が御座います。

□ 亀麿神社(かめまろじんじゃ)

所在地:岩手県二戸市金田一字長川(緑風荘内)
御祭神:藤原亀麿様
御神体:水晶


御稲荷様と隣り合わせに建立、御祀りされておられ、とても大事にされているのが心から伝わって参ります。
また、昨日観ました番組では、現在こちらには“願い和紙”という所願成就の御神徳を願って、祈願和紙を奉納出来るようになっているのだそうで御座います。
座敷童子さんと出逢った男性は出世、女性は玉の輿に乗る事が出来ると伝えられておりますが、ただ 座敷童子さんの御力に縋るだけで無く、矢張り 何事も自分自身で出来る限りの努力を惜しまず、その上であとひと絞りの勇気や踏ん張りを発揮出来るように見守っていただけたら幸せだなぁと思います。
今度訪れる事が出来る機会が御座いましたら、その時は また以前宿泊させていただいた時の私とは違った気持ちで伺えるだろうと思っております。
いつか、槐の間にも泊まってみたいもので御座います…。

そういえば、緑風荘さんで撮影された写真にはオーブが写り込む事が多いようで御座いますね。
実際、私も……ゴニョゴニョ(誤摩化…/笑)

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